フレイルと生活不活発病の相互関係

介護施設の利用者は、入所期間が長引くにつれて活動量が低下するケースが多くみられる。入所した当時は比較的活発に動いていたのに、次第に動くのを嫌がるようになり、散歩も拒否するようになったという話は少なくない。フレイルとは高齢化に伴って、肉体と精神の機能がともに低下していく状態である。介護生活に伴う不活発な生活が引き金になることが多い。生活不活発病を放置すると、フレイルを招くリスクが上がるため、体が動かなくなる前に対処する必要がある。

日常生活においては、できる範囲で家事や運動を行う習慣をつけた方がいい。部屋の掃除をする、ラジオ体操などの手軽な体操を楽しむ、天気の良い日は散歩をする、などの対策が生活不活発病の予防に役立つ。体は急に動かなくなることはなく、よほど事故などの原因がない限りは日常的な積み重ねで起こるものだ。体力や筋力の低下によって少しずつ運動するのが苦痛になっていき、次第に部屋に引きこもるようになるのである。運動がきついと感じるようになったら、運動量やメニューを調整したうえで運動を継続するようにしたい。

生活不活発病とフレイルの怖いところは、脳機能の低下に結びつくことである。心地よい運動は体によい刺激を与え、それが脳の活性化につながる。寝たきり生活が続くと脳を使うことが減っていき、それに伴い集中力や思考力も低下していく。物事に対して興味を感じなくなったら、生活不活発病が始まっている可能性が大きい。介護職は利用者一人ひとりの生活リズムを把握し、様子の変化を感じたら早めの対処で不健康を回避することが大切だ。介護職は、おすすめサイトの一つであるコチラ⇒“生活不活発病を知る。<医療の館>”も参考にしながら知識を身に着けてほしい。