さまざまな症状とリスクのある生活不活発病

不活発な生活が原因となり、体や頭のあらゆる働きが低下する症状を生活不活発病という。生活不活発病の厄介な点は、いったん発病すると改善がとても難しいということだ。この病気は、生活の中で動かないことが発病の原因になるが、生活不活発病となることでさらに生活動作がしづらくなる。動けないのでますます生活が不活発となり、病気がいっそう進んでいくという悪循環に陥ってしまう。

生活不活発病は、高齢の方や持病のある方がなりやすいと言われている。その初期症状は、歩きにくい・疲れやすい・立ったり座ったりする動作がしづらいなど、日常動作を難しく感じる所から始まる。体をスムーズに動かす行為は、多くの心身機能によって成立している。動きたいけど動けないという状態が長く続くことで、体だけでなく精神、神経にまで機能の低下が起こるようになるのだ。

生活不活発病が改善されないと、あらゆる身体機能の低下が起こるリスクが生じる。心肺機能や消化器機能の低下、筋肉の萎縮や静脈血栓症となる恐れもある。また、精神や神経の働きが低下することにより、うつ状態や知的活動低下、自律神経が不安定になるリスクもある。生活不活発病を改善する鍵は、早期発見にあると言える。対象の方が日常生活で動きづらさを感じていないか、こまめにチェックしてみてほしい。そして予防や改善のためには、少しずつでも体を動かす機会を増やしたり、趣味や充実感を得られる活動を持つことが大切だ。決して筋力トレーニングで改善されるわけではなく、生活そのものを楽しむということが何より重要である。